管更生工事とは?施工方法の種類や特徴を徹底解説!

皆さんこんにちは。

福岡県福岡市を拠点に、福岡市内中心に創業40年以上、道路や下水道など幅広い土木工事を手掛けています株式会社宝建設です。


管更生工事について、「どんな工事なのか」「どんな工法や資格が必要なのか」と疑問に思ったことはありませんか?そう思う方も多いのではないでしょうか。老朽化した下水道管や排水管を掘り返さずに直す工事とはいえ、聞き慣れない言葉や作業内容が多く、イメージがつかみにくいものです。


この記事では、管更生工事の仕組みや代表的な工法、施工の流れ、必要な資格について、未経験者にもわかりやすく解説します。下水道や排水管の工事に関心のある方や、施工現場について知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。


■管更生工事とは?



管更生工事とは、老朽化した下水道管や排水管などの既存の管を掘り返さずに内側から修繕する工事のことです。老朽化による漏水や破損を防ぎ、配管の耐久性や寿命を延ばすために行われます。従来のように道路を掘削して管を交換する方法と比べて、工期が短く、コストや騒音・交通への影響も少ないのが大きな特徴です。マンションや公共施設など、周囲の環境への配慮が求められる現場で特に重視されています。


・読み方と呼び方の違い

「管更生工事(かんこうせいこうじ)」は、「下水道管更生工事」や「配管更生工事」とも呼ばれます。「更生」とは“再び生まれ変わらせる”という意味で、既存の管の内側を新しい材料で補強し、新品同様の構造に“再生”することを指します。つまり、古い管を撤去せずに管内の樹脂やライナー(内張り材)を硬化させて新しい管を形成する工法です。掘削を最小限に抑えられるため、狭い道路や住宅密集地でも対応しやすいのがメリットです。


・下水道管更生工事の役割

下水道管は長年の使用で、腐食・劣化・漏水・根の侵入などのトラブルが発生します。これらを放置すると、地盤沈下や悪臭、さらには下水の逆流といった二次被害につながることもあります。管更生工事では、劣化した管路の内側に新しい管を形成することで、構造的な強度を回復させ、耐用年数を数十年単位で延ばすことが可能です。また、掘り返しを行わないため、周辺環境への影響が少なく、環境負荷の低減にもつながります。自治体や管理組合などでも採用が進んでおり、今後ますます需要が高まる分野です。


■管更生工法の種類



管更生工事にはさまざまな工法があり、現場条件や管の劣化状況に応じて最適な方法を選定します。いずれの工法にも共通しているのは、既設管を撤去せずに管内から新しい構造を形成するという点です。ここでは、宝建設が主に採用している工法を中心に、代表的な技術をご紹介します。


・SPR工法の仕組み

宝建設はSPR工法協会に所属しており、主にこのSPR工法による管更生を行っています。

SPR工法は、既設管の内側に帯状の硬質塩化ビニル(PVC)ライナーを螺旋状に巻き込み、新しい管路を形成する技術です。施工中に水を止めずに作業できるため、下水道の稼働を維持したまま修繕が可能です。


さらに、ライナーと既存管の隙間にはモルタルなどの充填材を注入して固定し、構造的な一体性と高い耐久性を確保します。掘削が不要で、マンション・商業施設・公共道路下など施工条件が厳しい場所にも最適な工法です。


・その他の代表的な工法

SPR工法以外にも、現場条件や管径に応じてさまざまな管更生技術が用いられています。代表的なものとしてまず挙げられるのが光硬化工法です。ガラス繊維や樹脂で作られたライナー(内張り材)を既存の管内に挿入し、紫外線で硬化させる方法で、施工後すぐに使用を再開できるほど工期が短く、耐久性が高いことが特徴です。樹脂が管内に密着して新しい管を形成するため、漏水や腐食の再発防止にも優れています。


次に、反転ライニング工法があります。これは樹脂を含ませたライナーを空気圧で裏返しながら挿入し、内側から新しい管を形成する工法です。曲線部や枝管にも対応しやすく、比較的小口径の管に多く採用されています。


また、スリップライニング工法や折畳み工法も一般的な方法です。これらは既設管の内径に合わせてパイプを挿入し、加熱や圧力によって密着させるもので、高い耐久性を持ち、長距離の施工にも適しています。ただし、管径の変化や曲線部では施工条件が制限される場合があります。


■施工の流れと安全管理



管更生工事は、見た目以上に緻密な計画と安全管理が求められる工事です。既存の配管や下水道の状態を正確に把握し、周辺環境への影響を最小限に抑えるために、作業手順は細かく定められています。ここでは、一般的な施工の流れと、安全確保のための取り組みを紹介します。


・施工前の調査と準備

まず行うのが現地調査と管内の状態確認です。管内カメラ(CCTVカメラ)で配管のひび割れ、腐食、堆積物、漏水箇所を点検します。これにより、劣化の程度や管径、勾配、障害物の有無を把握し、どの工法を採用するかを決定します。


次に、管内の洗浄作業を行い、土砂やスケール(付着物)を除去します。この段階で清掃が不十分だと、樹脂やライナーが密着せず、施工後の耐久性や密閉性に影響を与えるため、非常に重要な工程です。準備段階では周辺の交通・騒音対策も行い、住民への影響を最小限に抑えます。


・作業工程と管理体制

工事当日は、選定した工法に応じてライナー挿入・樹脂注入・硬化・検査などの工程を実施します。例えば光硬化工法では、紫外線照射装置を管内に通し、樹脂を均一に硬化させることで新しい管を形成します。SPR工法では、ライナーを螺旋状に巻き込みながら、内側から新たな管路を作ります。いずれの方法でも、施工中の温度・圧力・硬化時間などを細かく管理し、品質のばらつきを防止します。


安全面では、作業員が酸素濃度や有害ガス濃度を測定し、酸欠事故やガス中毒の防止に努めます。また、狭いマンホール内での作業は危険を伴うため、常に複数名で連携し、緊急時に即対応できる体制を整えています。さらに、施工後には再度カメラで管内を確認し、ライナーの硬化状態や接合部の密閉性を検査します。こうした徹底した管理により、長期間安心して使用できる下水道や排水設備が維持されます。


■管更生工事に必要な資格



管更生工事では、老朽化した下水道管や給排水管を安全かつ確実に修繕するために、資格を持つ技術者の存在が不可欠です。工事の品質や耐久性は、施工を担当する技術者の知識とスキルに大きく左右されます。


・取得が必要な主な資格

施工管理や安全管理の観点から、まず挙げられるのが土木施工管理技士(1級・2級)です。この資格を持つ技術者は、工事全体の工程管理や作業員の安全確保、施工品質の監督を行うことができます。また、下水道管に特化した工事では、下水道技術検定や管更生技士の資格も重要です。これらは、管内の腐食や劣化の状態を判断し、最適な管更生工法や材料を選定する知識を証明します。


さらに、管内作業では樹脂や硬化材を扱う場合があり、有機溶剤作業主任者や酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者などの安全資格も必要です。これにより、酸欠事故や有害ガスによる危険から作業員を守ることができます。


・技術者に求められるスキル

資格の有無だけでなく、現場経験による判断力と施工管理能力も欠かせません。施工条件や管の状態によって工法や材料を選ぶ必要があり、ライニングや樹脂硬化の工程を適切に管理する技術が求められます。


また、マンションや公共施設での作業では騒音や臭気の管理も重要です。これらを徹底することで、漏水や破損のリスクを抑えつつ、安心で高品質な管更生工事を実現できます。資格と経験を備えた技術者が施工に関わることで、老朽化した管路を安全かつ確実に再生し、下水道や排水設備の寿命を延ばすことが可能です。


■まとめ



管更生工事は、老朽化した下水道管や排水管を掘り返さずに内側から修繕し、耐久性や寿命を延ばす工事です。工法には、光硬化工法やSPR工法など、管径や劣化状況に応じて最適な方法が選定されます。施工では、事前の管内調査や清掃、樹脂やライナーの施工・硬化工程の管理、安全対策が重要です。また、施工品質を確保するためには、土木施工管理技士や管更生技士などの資格を持つ技術者が関わることが不可欠です。


これらの工程と資格の両輪により、漏水や腐食などのトラブルを防ぎ、周囲環境への影響を抑えながら安心して使用できる下水道や排水設備を維持できます。管更生工事は、費用や工期の面でも効率的で、マンションや公共施設など幅広い建物の修繕に対応可能な工事方法として、今後も重要性が高まる分野です。


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